
人気、実力ともにナンバーワン! かの有名な呼び名である「七色の声を持つ男」そのままに、アニメでは『かいけつゾロリ』のゾロリ役や大ヒット作『新世紀エヴァンゲリオン』の加持リョウジ、吹き替えでは、エディ・マーフィやウィル・スミス、トム・ハンクスと第一線で大活躍。加えて、TV番組の司会や、三谷幸喜作品などの映画出演とマルチに活動中。なりたい人なら誰もが聞きたい、山寺さんの“声優道”を3回に分けてお送りします。
やまでらこういち…6月17日生まれ、宮城県出身。アクロス エンタテインメント所属。東北学院大学卒業後、俳協の養成所で学び、卒業後俳協へ。1985年声優としてデビュー。以後、声優としてはもちろん、ラジオのDJ、舞台、映画、ドラマ、バラエティ番組などさまざまなジャンルで活躍。子ども向け情報番組「おはスタ」では司会を担当し、大ブレイク。「七色の声をもつ男」としても有名である。
アクロス エンタテインメント
得意技以外に別の技も持っているかどうかが大事!
ちょっとだけ、辛口で言わせてもらおうかな(笑)。今、声優が活躍する場って、映画やアニメだけじゃなくて、OVAもあればゲームもあるし、ラジオも電波以外のインターネットラジオがあるし、それにパチンコだって声優が必要でしょう。それこそいっぱいあるんですよ。こうしたなかで、「このキャラは、この声優しかいない」といわれる声優が、どのくらいいるかというと、少ないんですよ。もちろんそれは、自称・器用貧乏な僕も含めての話なんだけど(笑)。
もちろん、声優ファンにとっては、「このキャラはやっぱり・・・」という見方もあると思う。でもね、普通に見ている人にとって、そこまでじゃない。
かつてのアテレコ創世記を支えてくださった先輩方のなかには、個性的な声を持つ声優はたくさんいたと思う。外国映画の俳優を見た瞬間、心の中に声が聞こえるような声優、と言えばいいかな。
そういう声優が、少なくなった理由は、いろいろあると思う。
誰にもマネができないほど個性的な声の持ち主なんて滅多にいない。いや、もしかしたらいるかもしれないけど、その個性的な声が求められるかどうかは、別の話なんですよ。この場合の「声」って、もちろん声質だけじゃなくて、演技力、表現力も含めての意味ですけどね。
それにね、たとえ個性的な声だとしても、それだけで勝負できるほど、甘い世界じゃないんです。
自分の得意技はあったほうがいい。でも、別の技も持ってるかどうかが大事なんです。たとえば、「ありがとう」という言葉を言う時に、声の高低、質感はもちろん、微妙なニュアンスを含めれば100万通りだってある。でも、100万通りできるようになれという意味ではなくてね、そのうち、ものにできたのは何通りあって、なかでも得意技はどれかと言うくらいの気持ちは必要なんですよ。
そのためにも、声優になりたいのなら、自分はどんな声を持っているのか、どんな表現ができるのか、自分の声に興味を持って、幅を広げていってほしい。あと、やっぱり声量は大事ですよ。声優にとって声量は、車にたとえると排気量みたいなものでね、排気量が大きい車はスピードも楽に出せるけど、ゆっくり走っても快適に乗れる。つまり、声が大きい、声量があるというのは、幅を広げる意味でも、声優にとって武器になると考えてください。
やっぱり声の実力をつけないと、プロにはなれない!

僕がプロとして、ひとつだけ自信を持って言えるのは、声優という仕事の世界はすごくクリーンだということです。
声優としての実力さえあれば、たとえ年齢が若かったとしても、その実力はきちんと評価してもらえる世界。声優としての力がないのに、誰かの後押しだけでキャスティングされるなんて理不尽なことがない、いや、あってはならない、本来の意味での実力主義で動いているはずなんです。
いや、でも、声優ってね、受身の仕事なんですよ。制作サイドが僕たちを選び、僕たちは選ばれて仕事をする立場。だからキャスティングされるには、さまざまな要因があって、人間性がいいってのもそうだし、場が盛り上がるとかね。演出家と気が合うのも大事。ただ、そこも含めてプロの声優の実力ではあるけれど、声がダメだと、100%選ばれない。最も重要視されるのは、やっぱり演技力なんですよ。
声優の仕事は、これからも声という実力が評価されると思う。だからこそ、自分の声をよく知って、どういう道を選べばベストなのか、最善の入り口を見つけ出してほしいと思ってます!
山寺宏一 の声優道
第1回 全ての経験を生かすことができる、声優という仕事に出会えて本当に幸せだと思っています
第2回 声優になるには①~自分の武器を知ろう~
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柴田秀勝の声優道
第2回 声優になるには①~声優学校や養成所に入る前に必要な“役者の仕入れ”~
野沢那智の声優道
第3回 声優になるには②~技術と感性を兼ね備えた演技者を目指そう~
野村道子の声優道
第1回 先代ワカメちゃんは初代お天気お姉さん。忙しく楽しくいろんな仕事に挑戦!
第2回 個性的で長持ちする役者を育てる。それが私の生き甲斐です
永井一郎の声優道
第1回 道は長いから、焦らないで。役者は何をするのかを考えてほしい
第2回 社会勉強と人間観察を。そして、いい役者になってほしい


